「火山」ってどう読む?帰国子女たちの日本語の身につけ方〜イネさんの海外赴任エピソード(5)〜

どんな話題も、経験者のリアルなエピソードは参考になるもの。

マナまなBeeのアドバイザーであるイネさん(仮名)は、小学生と高校生の時期を海外で過ごし、親になってからも息子と娘と共に夫の海外赴任に帯同した、海外経験者の先輩です。

そんなイネさんが、自身のエピソードから、みなさんにアドバイスを送ります。今回は、帰国子女の言葉に関するお話です。

 

海外駐在中、子どもたちは日本語をどう身につけている?

「火山」という漢字の読み方、分かりますか?

多くの人は「そりゃ“かざん”でしょ」と答えるでしょう。これをある帰国子女の中学生が、「ひやま」と読みました。「え?海外生活で日本語から離れると、火山も知らないの?」と思うかもしれませんね。

でも、その子は決して「かざん」という言葉を知らないわけではないんです。なんなら“volcano”という英語と「かざん」はちゃんと結びついている。でも、「火山」という漢字とは結びついていなかった。なぜなら、耳で音を聞いただけだからです。家庭内の会話で「かざん」という言葉は聞いていても、それを漢字のビジュアルで目にしてはいなかったんですね。だって、海外で「火山」とは滅多に書かれていませんから。

この話のポイントは、海外で現地校に通っている子どもたちは、日本語を目より耳から覚える機会が多いということ。耳で聞いて知っているけれど、どんな漢字を書くか分からない時は、日本で暮らしていてもありますよね。それが帰国子女の場合、「え、そんなの簡単じゃん」と感じる基本的な漢字でも起こるということです。

こうした間違いは、漢字を目にする機会がなかっただけで、おかしくも恥ずかしくもありません。誰だって変わった聞き間違えはするじゃないですか。「二世帯住宅」を大学生まで「見せたい住宅」だと思っていたなんて話も聞いたことありますよ(笑)

周りに日本語がない海外では、子どもたちが言葉を耳だけで覚え、漢字と紐付けづらい状態にあるとぜひ知ってください。日常的に何気なく口にしている言葉を漢字でどう書くのかは、改めて学ぶ時間を持つことが大切です。

 

***お知らせ***

マナまなBeeでは、帰国子女経験者であり帰国子女のママでもあるイネさんと、オンラインでお話しできる機会も企画する予定です。詳細は今後、SNSやブログでお知らせします。引き続き、イネさんの記事もチェックしてくださいね!

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